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「図解_介護のための運動機能」
ISBN978-4-915878-55-8 c3047
MainTitle:「図解_介護のための運動機能」
監修:大田仁史
編集:田邊康二
B5判/67頁
発行年月日:2007年02月20日(初版第1刷)
価格(税込):1,620円
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■はじめに■

平成17年度より,茨城県の事業として介護予防を目的としたリハビリ体操を指導するボランティアの養成に,理学療法士として関わっています。このなかで開催される体操指導士養成講習会(以下,講習会)には,おおむね60歳以上の元気な県民の方々が,大勢,熱心に受講されています。本講集会の特徴は,担当スタッフ(医師,理学療法士)が一般の方々に,解剖や運動に関する知識を解説しながら体操を学んでいることです。多くの受講生は,まったくといってよいほど抵抗なく体操を行い,体を動かしたあとは「すごく気分がいいよ!」と,体操を自然に受け入れていらっしゃいます。しかし,体操の原理や目的を学ぶために必要な解剖や運動に関する知識の学習となると,専門的でわかりにくいといった,当然ともいえる反応が一応に伺えます。このような知識を漫然と覚えることへの抵抗も強く,受講生の表情が一転する場面に,これまで幾度も遭遇してきました(どうしたらうまく受け入れてもらえるのだろうか……)。
人が日常で体を動かすことは必然のこととして行われているにもかかわらず,残念ながら今のところ,専門職と一般の方々との間には,明らかな学問に対する認識のズレが存在しています。「これを解消できる可能性は?」ということについて思い悩んだ結果,大田先生のアドバイスもあり,本書の内容がアイデアとして生まれた次第です。
本書の目的とするところは,本来,リハビリテーション領域で必要な,身体の構造や動きの基礎をさらにわかりやすく表現することにより,障害をもった方々の日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)の改善や介護予防につながるという点です。
本書は,介護福祉士,ホームヘルパー,運動や体操指導に当たる方および保健・医療・福祉に関わるボランティア活動をされている方など,地域で人の動作に関わる方々やその領域に関連する学生の方々を読者対象に想定していますので,ぜひ活用して,現場に役立てていただけたら幸いです。
平成18年2月 田邊康二

■監修の言葉■

茨城県では住民参加型の地域福祉の強化に力を入れている。シルバーリハビリ体操指導士の養成事業もその一環で,平成16年度にモデル事業を行い,17年度からはカリキュラムを整理しつつ本格的に養成を始めた。
普通,健康というとエアロビクスを中心にしたものが主流である。それに対してこの体操はどちらかといえば生活機能向上,要素的筋力強化に重点を置き,アネロビックな体操が多い。エアロビックな運動は体育学・運動学が中心に成り立っているのに対して,シルバーリハビリ体操は動作学・障害学が中心に構成され,リハビリテーション医学が得意とする領域で生まれたものである。
さて,この体操を一般のシルバー世代(おおむね60歳以上)の人々に覚えてもらうための基礎として,筋・骨格系の解剖学とそれに伴う運動を学んでもらわなければならないが,適当な教材がまったく見当たらなかった。
いろいろ工夫を凝らしてきたが,結局新しく作るほうが早いとの結論に達し,試行錯誤の結果,本書のようにコンピューターで作図し張り合わせながら,必要最小限の骨格,筋肉,および運動との関係についての教材を作成した。そして,意外にこれがわかりやすいという反応を得た。シルバーリハビリ体操指導士の人たちは,もとより素人で高齢者である。大腿四頭筋や腰方形筋,ハムストリングスなどといっても初めて聞く言葉ばかりだ。しかし,その筋肉がどこにあって,働くとどうなるかを知ることはある種の感動であり,新鮮な勉強のようであった。そのような人たちにここに描かれた絵は最適であると思われた。
実は,介護職の人たちもこの程度の運動器の知識をもってほしいと思う。きっと,介護職の人が求めているものではないかとも思う。
この書にかかれたものはすべて田邊君が描いたオリジナルである。パワーポイントだと動かせて見せられるものもある。
平成18年12月吉日 大田仁史

■目 次■

第T章 骨・関節と骨格筋の基本的な理解

        1.体部の各位置と名称
        2.骨格の名称
        3.関節の名称
        4.骨格筋の名称
        5.基本的な関節の動き

第U章 介護に役立つ体の動きと骨格筋の働き

        1.三角筋
        2.上腕二頭筋
        3.上腕三頭筋
        4.前腕筋群
        5.胸鎖乳突筋
        6.大胸筋
        7.僧帽筋
        8.腹直筋
        9.腹斜筋
      10.腰方形筋
      11.脊柱起立筋
      12.吸気筋群
      13.呼気筋
      14.腸腰筋
      15.大臀筋
      16.中殿筋
      17.大腿筋膜張筋
      18.股関節内転筋群
      19.大腿四頭筋
      20.ハムストリングス
      21.前脛骨筋
      22.下腿三頭筋

第V章 日常の運動につながる関節と骨格筋の機能の見方

       1.立ち上がり動作
       2.起き上がり動作
       3.寝返り動作

【付録】 介護予防に役立つ体操とその知識

       ・肩こり予防の体操とその知識
       ・膝の痛み予防の体操とその知識
       ・腹式呼吸の体操とその知識
       ・尿失禁予防の体操とその知識
       ・手と指の体操とその知識

■著者紹介■

□田邊康二 (たなべこうじ)
1969年生まれ
1992年3月 高知リハビリテーション学院理学療法学科卒業
1992年3月 仏教大学社会学部社会福祉学科卒業。その後,金沢大学大学院医学系研究科修士課程修了(保健学専攻)
1992年4月〜1998年3月 大阪医科大学附属病院リハビリテーションセンター勤務
1998年4月〜2004年3月 富山医療福祉専門学校理学療法学科教員
2004年4月 筑波記念病院リハビリテーション部勤務
2004年6月 茨城県立医療大学臨床教育講師
2005年4月 茨城県立健康プラザ介護予防推進部非常勤勤務
2005年4月 茨城県立医療大学学外共同研究員
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